No.265 中国のIT事情 その5: 中国のモバイルペイ(決済)
ITコラム
2018年9月5日
ISO 飛鳥 石橋一史によるITコラム
~帝国ニュースに掲載されたものを紹介していきます~
中国では「QRコード」を活用したモバイルペイが、爆発的に普及している。仕掛人アリババは日本へも触手を伸ばし始め、LINEや楽天、NTTなどが迎撃を開始した。
ご存知のように「QRコード」は1994年に日本のデンソーウェブ(当時はデンソーの開発部門)によって発明された。QRはQuick Response、データの高速読取りを意味し、そもそもの目的は自動車工場での部品の識別管理であった。
モバイルペイはいろんなサービスの決済に使われ、世界経済の発展に大きく寄与してくると予測されており、世界からキャッシュが消えてしまうのではとまで言われている。「偽札がなくなるから良いのでは…」という楽観論者もいるらしい。このように世界中へ拡散している背景には、発明者のデンソーウェーブが『特許権を行使しない』と宣言し、規格の統一化が図られたこともあるのだろう。
アリババの創業者、馬雲(ジャック・マー)は、市場覇権という戦略的発想をもって「QRコード」を活用し、市場展開戦術をみごとに果たしている。苦心して発明した技術者たちは、これをどうみるのだろうか…。
ヘンリー・キッシンジャー(アメリカの政治家)の言葉:「チャンスは貯金できない」